鍼治療で不妊症・月経不順・月経困難症は改善する
りおん鍼灸マッサージ治療院の長谷川麻美です
最も関心のある分野なのでまとめました
産科・婦人科疾患では、ホルモンのバランスの乱れによって発症するものも多く、
以下の報告↓から、女性ホルモンの分泌を改善し、症状が改善する可能性に期待
全日本鍼灸学会誌,55(3):415,2005「不妊症に対する鍼灸治療ー当院における妊娠に至った176名の実態調査」
3ヶ月以上通院、鍼灸治療21回以上行い、妊娠した患者176名中、自然妊娠20.5%、一般不妊治療によるものが22.7%、生殖補助医療によるものが56.8%であり、一般不妊治療もしくは生殖補助医療を受ける前に鍼灸治療を行うことにより、短期間の治療で妊娠に至ると考察している
Hum Reprod,11:1314-1317,1996
背部のTh11とTh12およびS2~S4の婦人科に関わりの深いと考えられるデルマトーム領域には100Hzのパルス刺激、下腿三頭筋には2Hzのパルス刺激を与え、その結果、子宮の血流動態が改善したと報告
また鍼の刺激が脳中枢に到達し、子宮の交感神経緊張状態を抑制し子宮の血流がよくなったと考察
Acta Obstetricia et Gynecologia scandinavia,79(3):180-8,2000.
24名の多嚢胞性卵巣症候群の患者に鍼通電刺激治療を行い、9名に有効であったと報告
排卵の状況が、鍼治療前は年間平均月約0.15が、鍼治療後は0.66と有意に高くなり、鍼通電刺激によるホルモン分泌の変化の結果、排卵の状況を改善したと推察される
産婦人科治療33(2):200-205,1976「ハリ刺激の女性内分泌環境におよぼす影響」
関元穴、中極穴、大赫穴に鍼通電刺激を行ったところ、血漿プロゲステロン濃度が卵胞期例と排卵前期例において上昇傾向、血漿エストラジオール濃度が卵胞期例において高値になったことを報告
黄体化ホルモン放出ホルモン投与下で鍼通電刺激を行うと、卵胞期例と黄体期例で血漿黄体化ホルモン(LH)濃度が上昇したことを報告
産婦人科の世界,30:29-34,1978「不妊症に対する電気経絡針の応用」
不妊症患者(散発性無排卵周期症と持続性無排卵周期症)に対して、下肢・下腹部・腰背部の経穴に鍼通電刺激を行ったことろ、排卵期のLHの不整例が正常化、排卵期には正常なLHサージが認められ、血漿エストラジオール濃度は卵胞期例・黄体期例ともに上昇傾向だったことを報告
全日本鍼灸学会誌,50(2):344.2000「不妊症に対する鍼灸治療の検討ー高度生殖医療に鍼灸治療を併用した5症例」
子宮内膜の形状が8mm以上で3層構造という基準にまで至らないことが原因のひとつであると考えられる不妊症患者(5例)に対して、下腹部・腰部・下肢の経穴に鍼灸治療を行ったところ、子宮内膜の状態が8mm以上、3層構造に改善し、妊娠に至ったとの報告